中枢へのアプローチ

頭蓋仙骨療法は、中枢(脳・脊髄)にアプローチします。皆さんは、私たちの日常の何気ない動き、例えば手を伸ばして目の前のものを取ろうとする時、「手」が勝手に動くと思いますか?

もちろん違いますね。先ず目でものをとらえて視神経で脳に情報を送ります。そして、脳の運動野の中の手を動かす神経に信号を送って、そこから筋肉や骨に信号を送ります。

中枢へのアプローチ

 

そしてまた目で目標物をとらえてその信号通りに手を動かして初めて「ものを取る」という動作が完成します。決して手が勝手に動くのではありません。単純な動きでも身体のいろんな器官が協力し合っており、その中でも中枢(脳・脊髄)は、信号が正しく伝わるように橋渡しをしてくれるとても重要な器官です。頭蓋仙骨療法では、この中枢(脳・脊髄)にアプローチします。

脳脊髄液~頭蓋仙骨系リズム~

 

さて、皆さんは脳はどんな風にして頭蓋骨の中におさまっているかご存知ですか?脳は豆腐のようにふにゃふにゃで柔らかい状態です。豆腐が水に満たされた容器の中で浮かんだ状態でいるのと同様、脳も脳脊髄液に包まれ保護された状態で浮かんでいます。

この脳脊髄液は脊髄、末梢神経系も同様に保護しています。この脳脊髄液は、一定のリズムを持ちゆっくりと循環しています。(頭蓋仙骨系リズム)このリズム(頭蓋仙骨系リズム)は、『第一次呼吸』とも呼ばれ、胎児の中で既に存在しており、また死を迎える時、身体のどんなもの(心拍や呼吸)より長く身体に留まり、一番最後に身体から離れます。このリズムが「命の息吹」ともいわれるのは、命そのものに寄り添うものだからでしょう。

私たちになじみのある身体のリズム~心拍や呼吸~は、激しい運動をしたり、感情が高ぶって激怒したりすると速くなり、また睡眠時などリラックスしている時はゆっくりになるなど状況により絶えず変化します。しかしながら、この頭蓋仙骨系リズムは基本的にいつも一定です。

大切な中枢(脳・脊髄)を守っているのですから、運動や感情に左右されることはありません。 脳・脊髄と脳脊髄液はお互いに調和を取り合いながら、まるで海の波に抱かれ漂っているかのようにいつも穏やかな状態にいます。そしてこの脳脊髄液は、タンパク質・ナトリウム・カルシウム・カリウム・ビタミン・神経伝達物質等その他多数の栄養素で満たされており、それを全身に運ぶという役割もあります。また、脳や脊髄の中に浸透していき古い細胞や過去の炎症の残骸を洗って外に排出する浄化作用もあります。

脳脊髄液がバランスの取れたリズムで全身をめぐるということは身体の自己免疫力・自己調整力が働き、身体が活き活きと生命力に溢れているという状態を表します。

 

脳脊髄液の流れ~命のリズムを整える~

 

ところが、私たちが日常生活の中で、身体的に外傷を受けたり、精神的に強烈なストレスやトラウマを受けると、この規則正しいリズムが乱されてしまいます。そしてその乱れた脳脊髄液の波動は、脳・脊髄に伝わり、全身に広がっていきます。

また、心身に強烈なストレスの環境の中に生きている( 交感神経亢進の継続状態 )と、物理的に脳脊髄液は20~30%減になり、脳脊髄減少症に落ち込みます。

すると、神経系統や運動機能が十分に働かなくなり、痛みや腫れ、イライラ・鬱・不眠 等々の様々な不調・疾患、疾病が 瞬時に、あるいは長い年月をかけながらあらわれ始めるのです。

頭蓋仙骨療法の施術は、5gタッチといわれ赤ちゃんを抱っこするような優しいタッチで触れ、全身(足、膝、仙骨、骨盤、お腹、胸、肩、首、頭蓋骨等)から発している脳脊髄液の波動の乱れや滞りを感じ取っていきます。

身体の中で起きているあらゆる波動を感じ取り、受け止め、認めてあげて、からだの細胞と対話をしながら身体が行きたい方へガイドすることにより本来の頭蓋仙骨系の一定のリズムに導いていきます。

するとからだの内側から 不調を引き起こしていた部分が解放されていき、脳脊髄液、血液、ホルモン、リンパ、気の流れが改善され、その結果自律神経が整えられ自然治癒力が高まっていきます。

 

子どもたちに笑顔を取り戻してもらうために

 

特に発達に問題のあるお子さんは、中枢(脳・脊髄)にとても大きなストレスを抱えていることが多いのです。

ストレスが過度にかかると脳脊髄液減少、酸素不足、脳内伝達物質分泌異常、グリア細胞変異・・・等のため中枢が誤作動を起こし、パニックを起こしたり、大声を出してしまったり、じっと出来なくて走り回ったり、自分の頭を叩いたり、指を咬んだりと自傷行為を起こしたり・・・。クラスや周りのお友達からもびっくりされて、孤立しているお子さんも少なくありません。

「友達に喋りかけられても耳を塞いで逃げてしまったり、慣れない人との会話ができないので友達がいません。自分の頭の中でいろいろ考えていて、突然大声で笑ったりするのでクラスの子からは、いつも怒られ、浮いている存在です。」 等々、たくさんのお悩みが寄せられます。つらい状況にいて毎日悩んでいるお子さんやお母さんのなんと多いことでしょう。

でも理由なくこういった行動を起こすはずはありません。このような困った行動には 必ず原因があるのです。

例えば、周りの大人の目には「この子は大きな音がするとすごくびっくりして大声をあげる」という風に映ることでも、本人たちはその大きな音を耳を突き抜けて頭を叩かれたように感じていたり、身体全体に「どん」と当たっているように感じていたり、(個人差はありますが)様々な感じ方をしていることが多いのです。

またこういったお子さんたちに共通しているのが、頭や首を触れられるのを極端に嫌うという特徴があります。

これは脳内にとても強いストレスがあるためにいつもビリビリと電流が走っているかのように超過敏な状態にあります。お子さんによっては「痛み」や「しびれ」として感じている場合もあります。でも残念ながらこういった「感覚」はレントゲンやMRIには映らないのです。何もわがままや好き嫌いで大声を出したり嫌がっているのでは決してありません。

本人たちは生まれてからずっとこういう状態なので、口で説明・表現は出来ませんが、相当しんどい状態でずっと生きてきたのです。

大人の理解を超える肉体的な辛さも抱えながら、それでも彼らは懸命に毎日を過ごしています。そんな彼らを見ると、「普通と違うちょっと困った子ども」どころか本当に健気で大人の私たちよりよっぽど苦痛を耐え忍んで頑張っている尊い存在だと気づかされます。

解放する

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頭蓋仙骨療法の施術では、中枢(脳・脊髄)をはじめ、身体から発している脳脊髄液の波動やリズムの乱れや滞りを感じ取り、解放していきます。普段は過緊張で人前で眠ることなんてないというお子さんたちが、頭蓋仙骨療法の施術を受けると、ほとんどのお子さんが安らかになり、すやすやと寝息をたてて眠りに落ちてしまうほどです。

頭蓋仙骨療法は、お子さんを押さえ込んだり、泣かせたりストレスをかけるような施術は決していたしません。

「あー気持ちよかった」「頭の中のモヤモヤの雲が無くなってるよ」等々、自分の今の気持ちを話してくれる時は、

頭蓋仙骨療法や発達支援について、日々の臨床や学びの中で感じたことをお伝えしています。脳や発達のこと、子育てやお仕事のヒントとしてお役立ていただければ幸いです。

藤牧 経乗

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