居住地域: 関西 年齢: 14歳 性別: 女子 診断名: LDの傾向 受けたのは: 施術
嫌いな遊び・もの: ドッチボール、バレーボール、バスケットボールが苦手。ザラザラする食べもの。好きな遊び・もの: 積み木、パズル、水泳。つるつる、ふわふわした食べ物や、そういった感触のもの。
きっかけ: こどもの様子を見ていると、運動にせよ、勉強にせよ、酸素不足で頭が回っていないことを実感していました。毎朝練習していた四則計算10問の正答率がジョギングや縄跳びを100回する前と後ではまったく違っていて、縄跳び無しだと3〜4割落とし、縄跳び後は10割正解か、落としても1問でした。そのため、日頃は脳に酸素(?)が行っていないことは明らかでしたし、酸素以外の伝達物質やなにかも十分に行っていないのでは?と確信めいたものを持ったのでした。これが小学校6年生のときです。その後、いろいろなことを試しました。有酸素活動をたくさん行わせる(ジョギング、水泳、その他のとても激しい運動)など。

そんなことをしだしたのは、アメリカのどこかの州の公立高校(中学?)では、毎朝15分の運動の時間を設けたところ、その後に行う小テストで大勢の生徒の成績が急上昇。これに驚いた教員は、学区全体で取り入れるようになったいう目を疑うような記事を読んだからでした。それで、うちもさっそく縄跳びやジョギングをやりはじめたのでした(ジョギングは心拍数があがるのに時間がかかるので、縄跳びは便利です)。

その後、この記事がハーバード大学の先生、ジョン J. レイティ (著)『脳を鍛えるには運動しかない!最新科学でわかった脳細胞の増やし方』の抜粋記事だったのだろう、と気づいたのはだいぶたってからでした。これを読んでいなければ、頭蓋仙骨療法に出会ったとき、酸素や伝達物質の流れなどといわれたとしても、こどもの症状と結びつけて考えることはできなかったでしょう(なにせ、ハーバードの先生の言うことだしな、というわけです)。

そうして、集中力はあっても、その集中力が途切れると突然動けなくなる様子や、運動すると、身体がくにゃくにゃとして、手足をはじめ、腰やお腹にまったく力の入らない様子から、ある時、脳髄液減少症などを疑い、酸素と脳の関係を調べ始めました。例えると、理科の教科書などに載っている、脊髄から末梢神経への命令の伝達などが、とても弱い感じです。そこで、脳髄液の流れに問題が発生すると、うちの子のような症状が出るらしいと仮定できそうだと感じたところで、頭蓋仙骨療法を知り、藤牧先生に決断して頼ることを決めました。

ご感想: 困っていたこと:

あまりに動作がゆっくりですし、鍛えてもまったく埒があかない感じで、困り果てました。そこで、とうとうWISC-IIIを受けることにしました。このテストを受けたのは11歳の冬 で、結果は動作性IQが70程度と、平均を大きく下回りました。診断名はLDの傾向と書きましたが、診断は下りていないです。診断機関は混んでいて一年待ちでしたので、受けていません。母の見立てです。

———-2016/6/13 施術日前日 先生に送った困った点より

(言語と目)
・ 音と文字が結びつくまでに時間がかかる。何度も聞き違え、言い違える。例:ウミユリ(海百合)と言ってるのに、ウミウミ?ウミウニ?ウニウニ?何それ?わかんない!と聞き返す。かわいいし、面白いのですが)
・ 聞き取りがよくない。聞こえ難い音域があり、しょっちゅう聞き返したり、聞き違いをし、間違った音で単語を覚え、間違った単語で会話をする。
・ 音を聞き間違う→間違ったinputのまま覚えてしまう→発音に自信が持てない
・言葉が覚えられないので、勝手に、頻繁!!!に造語する。
・ 文の組み立てが苦手で、拙い話し方(主語を落とす)。
・ なんらかの現象をこれこれこういう状況のあれ、といったような具合につなげて話そうとする。話がまったく要領を得ない。
・ 相手の話の要点が読み取れないことがある(読解問題・会話中いずれも)。そのため、不適切な返事をして、相手に訝しがられてしまう。
・ 勝手読み、読み飛ばし、誤読があって本を読み進められない(小学生になって顕著に)。文意を読み取れない。文字を追うので精一杯で、センテンスの内容がまったくつかめない。(しかし、映画やTVドラマはほぼ正しく理解する。字幕を追うのは遅い)
・漢字や英単語を工夫してもなかなか覚えられない。スペルミスが多い。4、5歳の頃、鏡文字を1、2度書いたことがある。逆ピースをしたことがある。
・罫線のあるノートを使うと、罫線情報が気になってノートの文字が頭に入らない。
・たとえば藁半紙の紙の色のように、文字とのコントラストが弱いものは文字を視認しにくく、読むのに時間がかかる。クリーム色の紙もだめで、真っ白の紙を好む。(色盲検査、細分化された色を見分ける力は問題無し)。

(身体の動き)
・ 歩いていて、なにかに躓きやすい。ゆるやかな舗装路の登り坂で転び、大怪我をしたことがあります。
・ モノとモノの距離感が掴みにくい、閉まるドアに指を3回ほど挟んだことがある。球技でボールを取れない、避けられない。飛んでくるボールの距離感が掴めない。
・ 探し物が見つからない。目の前にあるのに気づかない。目と手の動作が連携しない。
・ 筆圧のコントロールが未発達
・ 二つのことを同時進行するのが難しい
・ 長い睡眠が必要
・ ピアノを弾く時、体に力が無い。指先に力を伝えられない。
・ピアノを弾いていて、間違ったフレーズを訂正するよう先生に言われても、何度も間違ったまま弾いてしまって、正しく弾き直せない。厳しい先生だったので、酷く苛立たれ、かわいそうなことをしました(今は別の先生です)。
・手から物が落ちていっても、ぱっと受け取れ無い(反射神経がない)。
・学校の課題のダンスをしても、徒競走で走っても、手や腕に力が込められ無いので、ふざけているように見えてしまう(火消しの纏のような動き)。
・球技では、球を取る、避ける、追うことができないので、コートの中で立ち尽くしてしまいがち。
・水泳をやめてから、手足の冷えが特にひどくなり、真冬は足や手の指が凍傷寸前の、紫になってしまうため、漢方薬を飲んでしのいでいる。

——–2016/06/15 (以下は、施術翌日に先生に送信したメールより抜粋して書きました)

藤牧先生

昨日はお時間を頂戴しまして、たいへん有難うございました。娘は、おかげさまで特に何事も無く過ごせております。まだ日が浅く以前との違いがよく判断できませんが、心なしかおしゃべりがスムーズになり、受け答えが素早くなったような気がしています。ワーキングメモリーも少し機能があがったような気も。生活の中で、閃きのようなものが、一つ、二つ見られました。

本人に今聞いてみたところ、社会の時間に班の誰よりも早く課題の解答を見つけ、書き記すことができ、お友達に説明してあげられた、今日はめっちゃ頭回ってん!と嬉しそうです。数学以外の字数の多い科目では、ちょっとないことです。有難うございました。また良いご報告ができたらと思います。

———-2016/07/15 22:34(以下は、施術のほぼ一ヶ月後に藤牧先生に送信したメールより抜粋して書きました)

藤牧先生

先日以来のご報告をさせてください。ご心配いただいた頭痛ですが、後から出てきたようでした。しばらくの間、頭を締め付けられるような感じの痛みがあるといっていました。しかし、今は治まってきているようです。

■改善された点:

・会話がスムースになり、素早く返事をするようになりました。
・不適切な返答を返すことがまったくなくなり、常に整合性の取れた内容で返事ができるようになりました。
・会話の中で、とてもよいタイミングでジョークを飛ばすようになり、驚いています。
・毎日25分のWEB英会話では、滑舌が20パーセントアップした感じです。
・雨の日にカバンの雨よけを持参することを思い出す、テーブルの上の荷物を忘れず持参する、イレギュラーな用事を必要なタイミングで思い出すなど、必要なものを必要な時に思い出せるようになってきているのを感じます。身の回りのことは、ほとんどOKになりつつあります。
・頼みごとを二つした場合、以前は三歩あるいたら一つ目を忘れてしまっていましたが、一つ目、二つ目も覚えていられるようになるか、一つ前に頼まれたことがあったことを思い出せるようになってきました。
・英語の文法の練習問題では、解答スピードが大幅にあがり、スピードは以前の1/3くらいになり、とても嬉しそうにしていました。塾は行っていませんが、塾の模試でも英語は自宅学習のみで比較的上位に入ることができました。暗記はまだ苦手なようで、うまくいかなくて気落ちしていましたが、意欲は失っていないのが幸いです。
・タングラムをやるとき、正解までの時間が、圧倒的に素早くなったことを実感したようで、とても喜んでいました。スルリとできたのでしょう。(まだ一度だけですし、簡単なものだったのかもしれませんが、)
・縄跳びは、どんなに頑張っても120回以上連続して飛べたことはありませんでしたが、施術数日後、急に200回連続で飛べ、とても喜んでいました。その後も、150回以上連続して飛べる回数が日に日に増えています。まっすぐ上に飛び、同じところに着地できるようになってきたのではと思います。
・ピアノの音が変わってきました!これは大きな変化です。以前は、指先に力を伝えられない様子で、どう練習してもキリッとした音が出せませんでしたが、とてもしっかりした音が出せるようになったと同時に、抑揚のある音を出せるようになり、ピアノの先生から褒めていただきました。以前は練習していると、もっと力を入れて!と数小節ごとにストップをかけなければならないような気になりましたが、今は安心して聴いていられます。
・大き目のバランスボールで背中を伸ばすと、頭に血がのぼると言っていますので、血の通り道ができたのでしょうか。(今まで血がのぼるという感覚はなかったのでしょうか?)
・目が眩しいと訴えることが減ったように思います。
・目の疲れも減ったようです。長い時間勉強しています。
・身体の疲れやすさも軽減されているように思います。
・目の下にクマができなくなったようです。

■現在気がかりな点

・唾液が相変わらず少ない様子。(おからのようなパサついたものを食べるのに時間がかかる)。
・座っている時も立っている時も背が丸くなりがち。(体に力が無い)
・たくさんの出来事を、すごいスピードで話せるようになってきたものの、まだ主語が抜けがち。
・数学の計算問題では、特にケアレスミスを頻発させてしまう。
・解答を解答欄に転記する際に、間違えてしまう。
・目からの文字情報を十分に分類整理しながら読めない。
・簡単な暗算に時間がかかることがある。

といった状況です。

頭が痛かった時期がありました。お電話で相談にのっていただき、ほっとしました。施術後二週間くらいしたとき、締め付けられるような痛みが出ていて、ちょうど塾に行き始めたのですが、かなり頭が痛くても、本人はがんばるといって、自転車に乗って行きました。どうやら、風邪などのときのような、不健康な痛みではないようで、がんばりたい気持ちが勝ったようです。塾まで4.5km。アップダウンの続く道です。運動して、血流量があがって、元に戻ろうとした頭蓋骨がまた広がるということですか?頭痛は消えるようで、かえって運動した方がいいのかと驚きました。動いたほうがいいようですね。

それにしても、一度の施術でこんなにも多くのことが改善されるなど、思ってもみないことで感謝にたえません。ありがとうございます!

(前後略)

どうしてわたしは、もっと早く藤牧先生を探すことができなかったのかと、こどもの症状は把握していたのだから、真剣に探せば見つかったはず。自分の不甲斐なさに情けない気持ちでいっぱいになりました。もっと早く知っていれば__これは考えてもしかたの無いことですが。しかし出会えたことに、感謝しなければなりません。

こののち、あっという間に一年が経過しました。娘はさらに快復して、まるで別人のように困ったところが減っています。あんなにも困っていたのが、まるで嘘のようです。もちろん、まだうまくいかないところはたくさんありますが、うまくいかない回数が10分の1くらいに減ったかのような、それくらい見ていてイライラすることが減りました。

よくないとわかっていても、親としてどうにもしてやれないもどかしさ、何をしてもはかばかしい効果のないもどかしさから、かなり苛立っていました。もちろん、激しく怒ってしまうことだってあり、自己嫌悪にも。そんな時は、後で娘に謝らなければならなかったり。あなたに怒ってるようでいて、ほんとうは十分に訓練やなにかをしてあげられないできた、自分に苛立って自分に怒ってるのよ(だいたい歳だし、更年期だから、だから聞き流してね、などなど、めちゃくちゃないいわけも)。わたしも困っているのよ、三歩歩いたと思ったら、たった今聞いた言伝を忘れてしまうのでは(ほんとうに三歩で忘れる)、素敵な才能があっても、仕事にならないでしょう?、心配でしかたがないのよ、あなたのその状況が改善しないことに…….と。

本人が、できないことがあっても明るくて、いつも楽しみながら暮らそうとしているところに救われてきましたが….それだけに、超えられるようで超えられない壁を意識したとき、親はなにができるんだろう?と。親が親として、こどもに向かいきれるかどうか、これも難しいですね。

あと一週間で丸一年。今一度、一年経ったご報告をあらためてさせていただければと思います。また、本人からも、ご報告させてみたいと思います。

藤牧先生と、いつも明るく見守ってくださる仁子先生に、心から感謝しています。

苛立っているお母様、困っているお子さんたちがたくさんいると思います。長くなりましたが、少しでも参考になれば幸いです。

れいちゃんママ